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3.3 別ディレクトリでのコンパイル方法

オブジェクトファイルと実行形式ファイル、ソースのあるディレクトリとは 別のディレクトリに作りたい場合は、以下の部分で手順が異なる。

  1. VPATH の機能をサポートしている Make が必要である。 (GNU Make はサポートしている。大抵の BSD システムの Make もサポートしている。)
  2. ソースディレクトリで ‘configure’ を実行したことがあるなら、 そのコンフィギュレーションを取り消さなければならない。そのためには 以下のコマンドを実行する。
     
    make distclean
    
  3. configure’ を実行する前に、コンパイラを作成するディレクトリに 移動する。
     
    mkdir gcc-sun3
    cd gcc-sun3
    

    シンボリックリンクのないシステムでは、このディレクトリは ソースコードのあるディレクトリと同じファイルシステムになければならない。

  4. configure’ がどこにあるのかを実行時に指定してやる。
     
    ../gcc/configure …
    

    これでも configure にコンパイラのソースがどこにあるのかを 教えたことになる。configure は、自分が起動されたときのファイル名から ディレクトリを取り出すからである。 この指定を確実にしたければ、‘--srcdir’ オプションを使って ソースディレクトリを指定することもできる。例えば、以下のようにすれば良い。

     
    ../gcc/configure --srcdir=../gcc other options
    

    --srcdir’ で指定したディレクトリが、configure の存在する ディレクトリと同じである必要はない。

これで、make を実行することができる。 普通のソースファイルに変更があっても、上記のコンフィギュレーションの手順を 繰り返す必要はない。しかし、コンフィギュレーションファイルを変更した 場合は、シンボリックリンクがないシステムでは、configure を 再実行する必要がある。


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