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フリーソフトウェアへの資金提供

読者が今から数年のうちにもっとたくさんのフリーソフトウェアが欲しいと 思うなら、その開発資金を提供するよう人々に奨励することは読者に とって意味のあることである。知られているうち、最も有効な方法は、 商用再配布業者に寄付を行うよう要請することである。

フリーソフトウェアシステムのユーザは、有料の配布業者に、売価の一部を フリーソフトウェアの開発者—Free Software Foundation やその他の人々— に寄付するように奨励することで、開発のペースを速めることができる。

配布業者にこれらのことを行うよう納得させるには、要求し、かつ 期待することである。そういうわけで、配布業者を比較するときは、 フリーソフトウェアの開発にどれだけ寄付を行っているかで 判断の一部にして欲しい。配布業者に、最も寄付を行う業者になるためには 競争しなければならないことを示すのである。

この方法をうまく機能させるためには、比較の出来る数字を要求しなければ ならない。例えば、「我々は、ディスクが一枚売れる毎に Frobnitz プロジェクトに 10 ドル寄付します。」という具合にである。曖昧な約束で満足しては いけない。例えば、「利益の一部は寄付されます。」では、比較に規準に ならない。

「このディスクの利益の」ある正確な比率としてもあまり意味がない。 独創的な経理や無関係なビジネス上の決定により、販売価格のどれぐらい の割合を利益として計上するかが大きく変わりうるからである。 読者が支払った価格が 50 ドルだと、利益の 10 パーセントはおそらく 一ドルに満たない。数セントかもしれないし、全然ないかもしれないのである。

再配布業者の中には、自分達で開発を行っているところもある。 これもまた有益なことである。ただし、誰もが正直で居続けるためには、 彼らがどんな種類の開発を、どれぐらいやっているのかを問い合わせる必要がある。 開発の種類によっては、それ以外のものとくらべて、長期に渡る差が出てくる。 例えば、あるプログラムの独立したバージョンを保守するのはほとんど貢献 しない。コミュニティ全体向けの標準バージョンのプログラムを保守するのは、 非常に貢献する。簡単な新規の移植はあまり貢献しない。誰か他の人が 間違いなくやるはずだからである。難しい移植、例えば GNU コンパイラ集に 新しい CPU を追加するようなものは、もっと貢献する。重要な新しい機能や 新しいパッケージを開発するのが最も貢献度が大きいと言える。

さらなる開発をサポートするのは、フリーソフトウェアを有料で配布するときに 「適切なことを行う」ことであるという考え方を確立することによって、 さらにフリーソフトウェアを作るのに安定したリソースの提供しつづけることが 保証できる。

 
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