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以下のオプションは、ヘッダファイルやライブラリや GCC の構成部分を 検索するディレクトリを指定する。
-Idir
ディレクトリ dir をヘッダファイルを検索するディレクトリのリストの 先頭に追加する。このオプションを使うことにより、システムのヘッダファイル を読者自身のバージョンで置き換えることができる。というのは、 ここで指定したディレクトリはシステムのヘッダファイルディレクトリよりも 前に検索されるからである。‘-I’ オプションを複数回指定した場合、 ディレクトリは左から右へ検索される。システム標準のディレクトリは その後に検索される。
-I-
‘-I-’ オプションの前で ‘-I’ オプションで指定したディレクトリは、 ‘#include "file"’ の形式の場合しか検索されない。 ‘#include <file>’ に対しては検索されないのである。
‘-I-’ の後で ‘-I’ で追加でディレクトリが指定されたら、 これらのディレクトリはすべての ‘#include’ 文で検索される。 (通常は、‘-I’ で指定されたディレクトリは全て、 このように使われる。)
さらに、‘-I-’ オプションを指定すると、‘#include "file"’ に対して最初に検索するディレクトリとしてカレントディレクトリ (これは現在の入力ファイルがあるところである)を使うのを禁ずる。 ‘-I-’ のこの効果を変える方法はない。‘-I.’ を指定すると、 コンパイラが起動したときのカレントディレクトリを検索ディレクトリに 指定することができる。これは、プリプロセッサがデフォルトで行なう処理と 正確に同じではないが、充分なことが多い。
‘-I-’ は、システム標準のヘッダファイルのあるディレクトリを 使うことは妨げない。つまり、‘-I-’ と ‘-nostdinc’ は 独立である。
-Ldir
‘-l’ オプションで指定されたライブラリを検索するディレクトリの リストにディレクトリ dir を追加する。
-Bprefix
このオプションは、GCC 自身が使用する実行形式ファイル、 ライブラリファイル、インクルードファイル、それにデータファイルを 探す場所を指定する。
GCC のドライバプログラムは、サブプログラム ‘cpp’、‘cc1’、 ‘as’、‘ld’ の少なくとも一つを実行する。 prefix を実行を試みる各プログラムのプレフィックスとして試す。 この時、‘machine/version/’ (see section ターゲット機種とコンパイラバージョンの指定) を 付けるのと付けないのを両方試す。
実行すべきサブプログラム毎に、GCC のドライバは、指定されていれば まず ‘-B’ によるプレフィックスを試す。その名前が見つからなかったり、 ‘-B’ が指定されていない場合は、ドライバは標準的なプレフィックスを 二つ試す。‘/usr/lib/gcc/’ と ‘/usr/local/lib/gcc-lib/’ である。 このどちらを使ってもファイル名が見つからない場合は、プログラム名を そのまま使って、環境変数 ‘PATH’ で指定されたディレクトリを 検索する。
‘-B’ によるプレフィックスは、リンカがリンクするライブラリにも 適用されるディレクトリ名を指定する。これは GCC が このオプションをリンカ用の ‘-L’ オプションに変換するからである。 またプリプロセッサがインクルードするファイルにも適用される。 GCC がこのオプションをプリプロセッサ用の ‘-isystem’ オプションに 変換するからである。この場合、GCC は ‘include’ をプレフィックスに 追加する。
実行時サポートファイル ‘libgcc.a’ も、必要であれば ‘-B’ による プレフィックスを使って検索することが可能である。‘-B’ で 指定した場所に見つからなかった場合には、上述の二つの標準プレフィックスが 試される。さらなる検索は行なわれない。これらの手段で見つからなかった ファイルは、リンク時にそのまま残される。
‘-B’ によるプレフィックス指定と良く似たもう一つのプレフィックス
指定方法として環境変数 GCC_EXEC_PREFIX
を使う方法がある。
See section GCC に影響する環境変数。
-specs=file
GCC が標準の ‘specs’ ファイルを読み込んだ後に file を処理し、ドライバプログラムである ‘gcc’ が、 ‘cc1’ や‘cc1plus’、‘as’、‘ld’ 等に渡すべき オプションを決定するときに使うデフォルトを変更する。 ‘-specs=’file はコマンド行で複数指定することができ、 その場合、左から右へ順に処理される。
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